地下鉄の窓から何が見える?

昔話

 子供の頃……電車やバスに乗ると窓の外を見たいという衝動に駆られませんでしたか?
 私も、親と一緒に電車やバスに乗ると、一番に「外が見える席」に走り込みそのまま外を眺めるために座席に膝を立てて窓にへばりついていました。親が慌てて、私の靴を脱がせ、隣の席に「もうしわけありまさん」と謝っていたのを覚えています。

 そういえば、親と電車に乗って繁華街のデパートまで買い物に出かけると、子供にとっては見るもの聞くもの目新しく大興奮。ついついはしゃいで、大きな声を出したり、走り回ったり……。当然、帰宅してからは、お説教タイムとなり、なぜ叱られているのか理解するまで正座が定番でした。さらに、それを繰り返すと……合谷のツボあたりに簡易お灸に火をつけられることも……。
 ということで、「電車に乗ったら、まず靴を脱ぎ、黙って静かに外を眺める」事が私の定番となりました。という事に終始務めることとしました。

 さて、地下鉄に乗ったらどうなるのか……。
「外を見ても何も見えないでしょ」と、親から言われましたが、私には、楽しみがありました。

 それは、配管観察です。

 トンネルの中は、当然真っ暗なわけですが、窓の外の下にある配管が、まるで生き物のようにグニグニと動く様がとても不思議で楽しみだったのです。
 さらにトンネルに配置された信号機には、番号がついており、その、カウントダウンも見逃せません。
 また、ガタンゴトンという車輪の音に、地下トンネルの支柱の脇を通過する際の風切り音のリズムも聴き逃しません。

 しかし、体が大きくなるとそれも叶わないのが何度も残念です。
 (ちなみに、同じ体勢でやるとアブナイヒトとなってしまうのです)

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