雨降りに関する私の一番古い記憶は、幼稚園に上がる前の幼児の頃のものです。私は、子供の頃ひどい高熱を出す事がよくあったらしく、よく母に連れられ病院にかよっていました。
ある日、同じように病院に行く事がありましたが、その日は、台風と思われる暴風雨でした。よっぽど緊急を要する事だったのでしょうが、私の関心は、凄まじい雨と歩道脇の小さなU字溝を凄まじい勢いで流れる濁流でした。
いつもは穏やかな水の流れが、荒れ狂う姿に少しばかり恐怖を感じたものです。
そういえば、かつては電柱も木製のものも多く台風等暴風雨となると、木製の窓枠がガタガタ音を立て、雨水も滲み出ておりました。さらには、よく停電にもなりました。
少し、大きくなってからは、傘をさして雨の中を歩くのが楽しく、水たまりに、小さな長靴ギリギリまで進んでみたりとイタズラをしてはよく叱られていたのも覚えています。
また、水たまりに雫が垂れて広がる輪が重なる様子を見続けるのも好きでした。広がっては重なり、また広がる……そんな様子を飽きることなく見つめていたりしてました。
まぁ、今は、そんなゆったりした時の流れを楽しむ時間がなくなってしまったのは、とても残念ですが……